協会活動

コンサルティング・伴走支援

1)病院・介護施設向け

病院や施設全体にノーリフトケアを導入・定着・継続するための支援

日本ノーリフト協会は、ノーリフトケアを病院や施設全体に「導入・定着そして継続させる」ことを目的としたコンサルティングを行っています。セミナーで提供される知識は基礎的なものですが、コンサルティングではこの知識を現場へ適用するために具体的な指導を行います。

まず、ノーリフトケアの取り組みのBefore/Afterを見える化するために腰痛調査や課題分析を行います。そして、取り組みを推進するための体制作り、すぐにできる小さなトライアルとしての不良姿勢を引き起こす作業フローの是正や最適化、スタッフに対する実践的トレーニングを提供し、ノーリフトケアの効果的な定着を支援し、ケアの質を再検討します。
さらに、ノーリフトケア実施施設としての認証取得を支援することで、施設は患者や利用者からの信頼を高めるとともに、求職者の獲得においても差別化を図ることが可能となります。このアプローチは、単なる介護サービスの向上だけでなく、施設のブランド価値を高める効果も期待できます。

例:ノーリフトケア導入コンサルティングの流れ

STEP1 STEP2 STEP3 STEP4 STEP5 STEP6 契約締結 施設全体のアセスメント 委員会設⽴・職員説明会 指導者教育 現場介入指導 評価
施設全体のアセスメント
施設の現状を把握し、潜在的なリスクを特定するために、全体的なリスクアセスメントを実施します。この評価は、施設の物理的環境、作業プロセス、職員の行動パターンを含む広範な領域に及びます。アセスメントの結果は、後続の改善計画の基礎となります。
委員会設立、職員説明会(腰痛調査・課題抽出・リスク分析・導入計画)
改善プロセスを推進するために、施設内に特別委員会を設立します。また、プロジェクトの目的とプロセスを共有し、職員の買い込みを得るための説明会を開催します。この段階で職員の意見や懸念も収集し、プロジェクトへの参加と協力を促進します。
指導者教育
推進委員会メンバーや管理職を対象に、具体的な改善手法やリーダーシップスキルの向上を図る教育プログラムを提供します。これにより、彼らが現場での変革をリードし、職員を適切に指導できるようになることを目指します。
現場介入指導(事例検討)
実際の現場において、コンサルタントが直接介入し、改善活動を支援します。これには、ワークショップの実施、新しいプロセスやツールの導入支援、問題解決のための具体的な指導が含まれます。この段階では、実際のケアを通して、継続的な取り組みができるよう適宜フィードバックを提供します。
評価
プロジェクトの効果を測定し、目標達成度を評価します。このフェーズでは、初期のリスクアセスメントと終了時の状況を比較し、どのような改善が達成されたかを検証します。また、今後の継続的な改善のためのプランも提示されます。

コンサルティングメニューの例

現場介入の例

不良姿勢の誘発原因となる作業動線のムダ・ムラを改善
(荷物が動線を塞いでいる)
機器のメンテナンス・管理方法や使い分けについても指導
(保管場所、用途の明示方法など)

コンサルティング対象者

・ノーリフトケアの施設全体での導入を検討している病院・介護施設
・ノーリフトケアを導入済みだが、運用状況について専門家の指導を必要とする病院・介護施設
・「ノーリフトケア認証施設」の取得を目指している病院・介護施設

※法人単位でなく施設単位での契約となります。年間3件程度の契約を上限とするため、お申し込みのタイミングによってはお待ちいただくことがあります。

施設様の声

社会福祉法人 弘陵福祉会 六甲の館
令和6年度 介護職員の働きやすい職場環境づくり『内閣総理大臣表彰』受賞
ご利用者さんの重度化(拘縮、褥瘡)を改善するメソッドを導入したくてコンサルティングを依頼しました。移乗リフトは既に導入されていましたが、職員の判断に委ねられていたため、介護方法を統一する必要も感じておりました。
コンサルティング導入後は、ご利用者さんの拘縮や褥瘡が改善し、介護方法も統一化されました。また、介護職員に余裕が生まれたことで、さまざまなICTを活用した生産性の向上に繋がり、レクリエーションにかなり時間をかけることが可能となり、ご利用者さんにも喜んでいただけるようになりました。

2)企業向け

介護テクノロジー機器開発・市場参入のための支援

日本ノーリフト協会は、介護テクノロジー機器の開発や市場参入を目指す企業に対し、専門的なコンサルティングを提供しています。この支援では、介護現場のニーズを基にした製品設計や、ノーリフトケアに適した機器の開発をサポートします。また、開発段階でのフィードバックを得るための試験導入や、実際の使用状況に基づく改良提案も行います。

さらに、介護現場のスタッフや利用者が機器を適切に活用できるよう、トレーニングや導入後の運用支援を実施。市場参入に際しては、ノーリフトケアとの親和性を示すエビデンスや活用事例の構築をサポートすることで、競争力を高めます。これにより、企業は現場のニーズに即した製品を提供するとともに、介護現場におけるノーリフトケアの普及にも貢献することが可能です。

事例紹介

①株式会社アマノ様:特殊浴槽を用いた移乗・介助ソリューションの確立
同社は入浴機器メーカーとして、製品提案に加え、介助動線を考慮した浴室改修案も提供しております。ノーリフトケアの理念を学ぶことが営業活動の向上につながると考え、特殊浴槽を活用した移乗・介助方法の最適化に取り組みました。
当協会は営業部向けにノーリフトケアの講義と実技講習を実施。同社は移乗技術だけでなく、身体の使い方の根本的な考え方を学ぶことで、顧客提案の質を向上させる成果を挙げました​。
②株式会社帝健様:スライディングユニット「ラクラックス®」動画制作
同社のスライディングユニット「ラクラックス®」は、簡単な操作で安全に移乗を行える製品ですが、そのシンプルさゆえに正しい使い方を理解してもらう必要がありました。
当協会は、同製品の使用方法を解説する動画の制作と監修を支援。動画は展示会やSNSで広く活用され、現場での評価も高く、より多くの利用者に製品の価値を伝えることに貢献しました​。
③川崎重工業株式会社様:介護業界への新規参入支援

重工業メーカーである川崎重工業株式会社は、ロボティクス技術を用いて介護業界の課題解決に貢献すべく、参入機会を模索していました。
当協会は介護業界におけるノウハウと広範なネットワークを活用し、実際の介護現場での実証実験の実現を支援。介護現場の課題分析や位置情報システム「ニョッキー」を用いた新しいソリューションの構築に向けた検討を進めました。このプロジェクトにより、同社は介護業界での事業基盤を確立しつつあります​。
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