2020 ノーリフトチャレンジ・プロジェクト

この度の、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）にともない、行政、医療・介護機関はじめ、各地で感染拡大防止に向けご尽力されている皆様に深く感謝申し上げます。

私たちは、2009年より「ノーリフト・ノーリフティング（抱えない／持ち上げない介助方法）」を腰痛予防対策マネジメントツールとして活用してきました。ノーリフト・ノーリフティングの導入により、病院や施設で働く医療・介護者の身体的な負担を軽減し、安全で安心な職場づくりを支援することにより、拘縮予防やベッドサイドの事故防止、離職防止などの課題解決に取り組んできました。今回のCOVID-19感染拡大防止において、移乗介助時の人と人の接触の機会を減少させ、看護・介護職の接触感染リスクを軽減する必要性も報告されている中、対策の一つとして、ノーリフト・ノーリフティングの活用が必要と考えています。

ノーリフト・ノーリフティングというと「リフトを使うことだけを推奨している」と誤解されやすいのですが、プロとして、アセスメント状況に基づきケアを実施し、人力での持ち上げを禁止し、自分が患者にならないように道具を活用し、病院や施設に「新しい習慣を根付かせる」仕組みづくりを支援しています。道具は使う人によって凶器にもなり、便利なものにもなります。道具は、人の自立を助けます。今行っているケアが、自己満足になっていないか。こんな時だからこそ、もう一度、今までの習慣を見直し、新しい習慣「ニューノーマル」を作りませんか。

今回、ノーリフト・ノーリフティングで活用している介護機器や介護ロボット、テクノロジーを提供させていただくことで、少しでも病院や施設で働いている医療・介護者の方々の接触感染リスクの減少をはかり、同時に身体的な負担を軽減することで、安全に働く環境の支援につながることを願い「2020 ノーリフトチャレンジ・プロジェクト」を立ち上げました！

いつ収束していくのか、どのように対応していいのかわからないことによるストレスなど、様々な思いを抱えられていることと思います。先がみえない不安もありますが、今だからこそ、今までのご縁から、できることを考え、チャレンジし続けたいと思っております。

日本ノーリフト協会代表理事保田淳子